言ってろ!
You wish!
たとえば「俺は超モテるからね」と言っていたり「俺が日本代表ならW杯で優勝できる」と言っていたり、ちょっと勘違いしている人に対して
「You wish!」と突っ込みます。
「言ってろ」「夢でも見てろ」的なフレーズです。
なぜそうなるのでしょう?
まず、「I hope」と「I wish」の違いを理解しましょう。
・「I hope +文」は、実際にそうなのかどうか分からなくて、「~だといいな」と期待する気持ちで言います。
・「I wish +文」は、実際はそうじゃないと分かった上で「ああ、~だったらよかったのにな」と残念がる気持ちで言います。
たとえば、出会ったばかりの素敵な人、独身かどうか分からないうちは
「I hope he is single.(独身だといいな!)」と期待する気持ち。
独身じゃないんだと分かってからは
「I wish he was single.(ああ、独身だったらよかったのにな)」と残念がる気持ちです。
英語では「実際じゃないこと」「あくまで仮の話」を、過去のことじゃないのに、過去形で言います。「仮定法過去」という文法です。「I wish +文」は「実際はそうじゃないこと」を言うので、「I wish」につづく文は必ず過去形になります。
他にも、
ハワイに住んでない人が
「I wish I lived in Hawaii.(ハワイに住んでいたらよかったのにな)」、
雨が降っているときに
「I wish it wasn’t raining.(雨なんか降ってなければいいのに)」、
車を持ってない人が
「I wish I had a car.(車があればいいのにな)」と言う感じです。
つまり「I wish」は「そう望んでいるけど、そうじゃない」ことを表すので、「You wish!」には「君はそう望んでいるだけで、実際はそうじゃないよ」という意味が込められています。日本語の「夢でも見てろ」「言ってろ」の表現に値しますね。
逆に「I wish!」はどういうときに使うのでしょう?
褒められたりしたときに、「そうだったらいいんでけど、そうじゃないんだよね」と謙遜するときによく使います。
たとえば
「I bet you’re rich.(お金持ちでしょう?)」と言われて
「I wish!(そうだったらいいんだけどね)」、
「You’re so smart.(頭がいいね)」と言われて
「I wish!(そうだったらいいのにな)」と返す感じですね。
「生きたフレーズ」や決まり文句を通して「仮定法過去」の理解を深めたい人は、ぜひこちらの動画を観てみてください。楽しいですよ^^